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どスケベ未亡人 背徳のぐしょぐしょ正座バック


「エレン、帰りか?」

そんなふうに声を掛けられたのは八月のずいぶん蒸す日でした。

リヴァイさんはこの日のための黒い喪服を身につけて、玄関先へ箒を掛けていました。

「ええ、早くに終わったんで。暑いですね」

「一番暑い時間に放り出されたもんだな。お前の母さんと買い物で行き合ったが、西瓜を買っていた。
 そろそろ冷えてきたんじゃないか。」

「だと良いです、温いのは食えたもんじゃないから。夕方にでも、御裾分けに行きますよ。」

「ああ。……楽しみにしている。」


リヴァイさんは一度もニコリとしないままに、そんなご近所同士の会話をして別れました。
喪服姿のうなじにツウと汗が垂れて、俯いた拍子に掃き清めた玄関先の石畳へポタリ、落ちるのを見届けて俺は一度家に帰りました。

今日は、リヴァイさんの旦那さんの月命日です。


蝉がミイミイ、気が違っているみたいに鳴いています。



*



どスケベ未亡人 背徳のぐしょぐしょ正座バック

 

 





*



リヴァイさんは所謂未亡人というもので、旦那さんとふたり暮らしていた家に今はポツンとひとりで住んでいます。
俺の家はその隣、垣根を隔てた向こうにあるので、俺が子供の頃に越してきたふたりとは、よく行き来をさせてもらっていました。
それがいつの間にか、体格の良く頑健そうだった旦那さんが臥せるようになり、長くないらしいとの噂が近所中にスッカリ回った頃、旦那さんは逝ってしまいました。
暑い日でした。

今日みたいに、蝉のミイミイ鳴き散らす日だったと記憶しています。


それから月命日になると、リヴァイさんはお寺からお坊さんを呼んで、仏壇にお経を上げてもらうようになったのでした。

リヴァイさんは律儀な人で、もう亡くなってから三年が経つのに、毎月キチンと黒紋付を身につけて、お坊さんを迎えます。
この時代に、貞淑で情の深く、徳の高いことだと近所では評判でした。



俺は家で手を洗うと家の裏に回り、垣根についた小さな扉から、リヴァイさんの家の庭へと出ました。
小じんまりとした、松の木や苔生した飛び石なんかのある庭から、縁台へ上がり鍵の掛かっていない窓を探します。
すこうし開いた窓がすぐに目に入り、俺はそこへそっと寄ると、障子の向こうへと目を凝らしました。

障子はほんの少し開いており、目のいい俺はそこから充分に部屋の様子を覗き眺めることが出来るのでした。

暫く前から俺の家まで、お坊さんのお経を読み上げる声が漏れ聞こえていましたので、その部屋に居ることはすぐに知れました。


仏壇がまず、目に入りました。
黒くてらっと光る仏壇の前には今朝買ったばかりでしょうピンと咲いた艶やかな仏花が、その隣には、旦那さんが好きだった南瓜の煮付けが供えられています。
白黒の遺影なのに、俺は旦那さん、エルヴィンさんの金髪が写真に色づけされたように目に浮かびました。

エルヴィンさんはもう、写真のまま、歳を取りません。
リヴァイさんのほうが幾つか年下でしたが、そのうちにエルヴィンさんの亡くなった歳に追いついてしまうのでしょう。
亡くなったことは仕方の無いことなんだ、と他人ごとに思っていた俺ですが、その事は何だか、とても哀しい事のように思えました。


ボンヤリと仏壇を眺めていると、お経はいよいよ佳境に入っているようでした。
うちには仏壇が無いのでよくは知らないのですが、この家で見聞きした様子によるとどうやらお経には流れのあるものらしく、最後のほうになると気持ちも入るのか、読み上げる声はより朗々と部屋に響くようになります。

お坊さんは、町外れのお寺の副住職さんでエルドさんと言い、もう何度かこの家で見たことのある人でした。
エルドさんはお坊さんらしくない長髪を後ろで括っていて、亡くなった旦那さんとは少し色味の違う金色の髪をしています。
エルドさんがよく通る声でお経を読み上げる中、その後ろに控えたリヴァイさんは俯いて座っています。
一度だけ、目線のみを上げてエルドさんの金髪を盗み見ると、リヴァイさんはまた瞼を伏せ、ジイっと気持ちの入ったように頭を垂れていました。

何度か木魚や鐘のようなものが打ち鳴らされると、エルドさんとリヴァイさんは仏壇に向け、深く礼をしました。
暫く、ジィンと鐘の音だけが部屋の中に残り、その間ふたりは礼をし続けると、それでお経は終わった模様でした。

決まりきった挨拶のような文言を交わすと、「ご苦労様でした。」とリヴァイさんがエルドさんを労い、
「今、お茶の準備をしますから。」「いや、お構いなく。」という、これもいつもの遣り取りをして、
リヴァイさんはそそくさと一度部屋を出て行きました。

エルドさんは変にソワソワと所在なく、座布団に座り直すとその端の飾り糸なんかを引っ張ったり、畳の目を弄ったりなんかしてリヴァイさんを待ちました。


リヴァイさんは「お待たせしました。」と座って襖を開け閉めして、
茶托と硝子の器に入った冷たいお茶を、楚々とした仕草でエルドさんの前に置きました。
夏だというのにリヴァイさんの手の甲は白く、節だっているのにほっそりとして、
俺の視線は如何してもそこに集まってしまうのでした。
エルドさんもまた俺と同じように給仕の間、リヴァイさんの手元に釘付けになっていたようでした。


「……いやあ、こう暑い日は、冷たい茶が染みます。頂きます。」

「この時期は、茶菓子も食い飽きるだろ。あられか煎餅のがいいか。」

「もうすぐ盆ですからね、出ずっぱりのてんてこ舞いですよ。……菓子は、いいです。遠慮します。すみません」

「そうか?寺に持って行こうかと思っていたのが幾つかあったんだ。ちょっと待て、今、」

立ち上がろうとして畳についたリヴァイさんの白く小さな手を、エルドさんが捕まえました。
パッと思わず取ったふうでいて、エルドさんはもう前のめりに、リヴァイさんに膝を寄せています。

「……お分かりなんでしょう、もう」

「何がだ?」

「また、そんなふうに空っ惚ける。……意地が悪いですよ、奥さん」

掴んだリヴァイさんの手を自らの股へ導きながら腰を抱くと、エルドさんはゆっくり姿勢を倒していきました。
エルドさんはスッカリ真顔で、切羽詰まったようになっています。
リヴァイさんは素知らぬ顔で、エルドさんの股間へ袈裟越しに触れると、「ああ。」と小さな声を上げました。

「もうこんなにしてるのか。」

撫でさするソコを凝視しながら皮肉のようにそう言うと、次の瞬間、リヴァイさんの黒い肢体は畳の上にいつの間にか伸べられているのでした。
ふたり分の重みを受けて畳がバタと鳴りましたが、清潔好きなリヴァイさんの掃除した部屋には埃のひとつも立ちません。

暫くジイっとそのまま見つめ合うと、リヴァイさんがエルドさんの頬に手を当て、接吻を促しました。
エルドさんはもう我慢が利かないようで、最初は軽く合わさった唇もどんどん荒くなり、口の中を互いの舌で混ぜるような交合になる頃には、スッカリ息が上がっていました。

リヴァイさんが薄く引いていた口紅はずれ、そのうちにエルドさんの唇に移ったものか、殆どなくなっています。

「……はあ。アア、リヴァイさん……ッ」

エルドさんの唇は次に、片手で肩や腕をまさぐられ思わずクッと上げたリヴァイさんの形の良い咽喉へ降りました。

「ん、……ッ、んん」

首筋を唇で辿られ、舌で喉仏を舐られると、リヴァイさんがついに声を上げました。
耳の後ろを吸われる度に、あ、あ、と鳴いて、足袋を履いた爪先が縮められました。

その爪先が上がり、捌けた裾から肌理の細かい真白な太股がこぼれ落ちると、リヴァイさんは膝を使ってエルドさんの股間を慰撫するように動かしました。

ずり、と擦るようにすると「う。」とエルドさんは唸って、眉根を寄せリヴァイさんを困った顔で見下ろしました。

「……リヴァイさん。」

「がちがちだ。」

「そりゃあ、……何ですか。しゃぶりたい?」

コク、と頷くとリヴァイさんはエルドさんの下から這い出て、エルドさんの袈裟に手を掛けました。
中腰になったエルドさんは自分のほつれた髪を掻き上げ、袈裟を捌くと、その下の着物からボロンと屹立した陰茎を取り出しました。

反り返って血管のうねっている大きなソレを、膝をついて眺めるリヴァイさんは何処かウットリとしています。
頬擦りするように唇を寄せると、陰茎の横っ腹をなぞって下生えまで辿り、金色というよりかは栗色に近い陰毛へ鼻を埋めました。

スンとその匂いを嗅いだリヴァイさんは、何度か舌で陰毛を撫で上げると、ジリジリとその舌を陰茎の根本へずらしていきました。
掬い上げるように裏筋に当てると、薄い舌がゆっくり、下から上へソレを舐め上げました。

「ウ、」

思わず上がったエルドさんの声に気を良くしたのか、薄く色づいた唇の端をクッと上げ、少し微笑んだように見えました。
めったに笑うことのないリヴァイさんでしたが、行為の最中には、何が面白いものかたまにこうして淫靡に微笑むのでした。

「焦らさないでくださいよ……もう、我慢してるんです。……触りたくてしょうが無い、リヴァイさんの」

「俺の?」

舌先でちろちろと鈴口を舐め、リヴァイさんが訊ねました。答えは分かり切っているようでした。

「リヴァイさんのアソコ……、俺にも、舐めさせて」

「……マテ、だ。」

リヴァイさんは落ちかかる前髪を耳へかけると、口を開きパクリとそれを銜えました。

「ン……」

鼻を鳴らしてくぐもった声を漏らしたリヴァイさんは、唾液を増やしてソレを扱くように紅潮した顔を前後させました。
ジュポジュポと、水っぽい音が部屋に響きます。

「ッう、ウ。ああ……リヴァイさん……ッ」

「ン、っんふ、」

咽喉のずいぶん奥までエルドさんの怒張しているソレを受け入れているらしいリヴァイさんは、もうどうしようもないほどに雌でした。
発情した雌の顔をして、男のチンポにむしゃぶりついているリヴァイさんの前に、開いたままの仏壇はありました。
遺影は伏せられておらず、点いたままの線香が未だに白い煙をたなびかせています。

じゅぶじゅぶ、と余りにあからさまな音が繰り返され、たまにジュルル、と溢れる唾液を啜る音が挟まりました。
ぽたぽたとリヴァイさんの顎から、唾液と汗が混じって畳へ垂れました。
頬を真赤に染めたリヴァイさんの額には幾粒もの汗が浮いており、ジトリジトリとそれが垂れてゆくのをエルドさんはジイっと見つめ、その様によりいっそう息を乱しているようでした。

俺はと言えば、窓の外で縁台に膝立ちになり、窓と重なっている障子へ張り付きたいのを堪えていました。
庇の長いおかげで直射日光からは逃れられていましたが、じりじりとしたどうしようもない蒸し暑さ、
時折気紛れに風なんかが吹きますとそれは熱風で、焦げそうなほどなのです。
縁台には俺の汗で膝の形にまるく染みが出来、たまに顎から落ちる汗が水玉模様に散っていました。

ハアハアと息を荒げているのは俺も同じで、普段は貞淑で清潔なにおいのするリヴァイさんから漂う雌のにおいを間近で嗅げないまでも、空気を通して伝わるその淫靡さに、頭はくらくらとするばかりでした。
ズボンの股間部分はすぐ見て分かるほどに膨らみ、解放されたがって呼吸するたびズキズキと痛むほどでした。


「ンッ・・・・・・、うう、リヴァイさ・・・・・・ッ、駄目です、もう出ちまうッ」

いよいよ勢いを増してはち切れんばかりになっているエルドさんのソレに、ジュポジュポと吸いつくリヴァイさんの首の動きは早まって行きます。

前髪が揺れ、それを耳へとかけると、エルドさんを見上げて挑戦的な眼差しを投げかけます。
エルドさんはもう堪らなくなったのか、両眉をギュウと下げると、リヴァイさんの頬へ手を当てました。

「だめです、・・・・・・ホントにッ、出ますから、・・・・・・頼みますリヴァイさん、もう、」

荒い息でそう言うと、エルドさんは仕舞っても仕舞っても落ち掛かるリヴァイさんの髪を横へ掻き上げてやりました。
少し不満げに眉根を寄せ、リヴァイさんの動きが止まりました。
それでも名残惜しそうに、もう一度根元から先へ唇を窄めるようにしてゆっくり吸い上げると、赤黒く色づいた亀頭へチュッと音を立てて接吻しました。
まるで陰茎への一時の別れの挨拶のようでした。

唇の端から垂れた唾液を指で拭って舐め取っているリヴァイさんへまた圧し掛かろうとエルドさんは屈み、リヴァイさんの前へ跪きました。


リヴァイさんは仏壇を背中に座り、着物の合わせ目からスルリと膝を出すと、エルドさんへ向けて脚を開きました。
こぼれ落ちた太股は新雪のように真白で、男の脚なのにどこかムッチリとしています。
俺は今すぐその太股へ縋って接吻をし、蒸れて汗ばんでいるだろう膝裏から、脚の付け根のきわどいところまで、唇と舌で旅をしたいという衝動に駆られました。
その青白いほどの太股にあるか分からぬホクロを数え、それぞれに吸い付きたいとも思いました。
部屋の外から覗いている俺ですらそんな有り様でしたので、至近距離でその滑らかな皮膚を眺めることの出来たエルドさんには、どれほどの強い誘惑だったことでしょう。

「……舐めたいか?俺のココ……」

片方の腿を両腕で抱きかかえるようにして、リヴァイさんは指でソコを抑えました。
喪服と同じ黒の下着です。
こまかなレースで出来ていて、既に屹立しているリヴァイさんのモノにピタリと張り付き、濡れた先っぽが布の面積の小ささでどうしようもなくはみ出してしまっています。
それにゴク、と唾を飲み込むようにエルドさんが首を窄めると、リヴァイさんは中指で下着越しに裏筋をなぞり、ハア、と熱そうな息を吐き出しました。

「こっちか?それとも、こっちか」

さらにグイと腿を引きつけ、レースがモザイクのようになって見えませんが、リヴァイさんは指で窄まりの周りの柔らかな皮膚をクイと引っ張ると挑発するように顎を引き、上目遣いにそう訊ねました。

エルドさんはまたジリと膝を寄せると、「……どっちも。」と感に堪えたように呟きました。

「欲張りめ。」

ハ、と鼻で笑うようにして言い、リヴァイさんは脚の付け根にあった下着の紐をしゅるりと片方解きました。
はら、とレースの覆いが外れ、ソコが露わになりました。
肉色と表現するのが良さそうな、生々しい茶味がかった桃色の一物と、薄い墨色の下生え。
袋の下の窄まりは同じ肉色をしていて、空気に触れてヒクヒクとしています。

俺はいっそう窓へ寄りかかり、もう頬はベッタリと硝子についていましたが、もう股間さえそこへ押し付けたい気持ちになりました。

エルドさんはもう我慢出来ないといったふうにガバリとそこへ顔を埋めると、犬が餌を食べる時のようにペチャペチャといやらしい音を立て始めたのでした。


「アッ……!ああァ……!」

エルドさんが竿へ吸い付き、リヴァイさんもしていたのと同じに口を窄めてジュポジュポと上下させると、リヴァイさんが嫌々をするように身をくねらせます。
ジュル、ジュルルと下品な音を立ててリヴァイさんのソレをしばらく味わうと、次は唇で陰嚢のあたりを食みながら、エルドさんの顔はさらに下へと降りて行きました。

チュウ、と窄まりへ吸い付くと、ヒ、と声を上げてリヴァイさんが震えます。
舌全体で舐りあげるようにして、エルドさんがリヴァイさんのソコへ愛撫を続けます。
ムチとした太股をゴツゴツした男の手で掴まれ、そのように組み敷かれている相手と同じ性別であるはずなのに、
リヴァイさんには『貪られている』という言葉が妙にピタリと似合うのでした。
殆ど抱え上げられているというほどに掴み上げられ、ペチャペチャ立っていた音はグチャグチャと汁気を増し部屋の中に響きました。

「リヴァイさん・・・・・・ッ、リヴァイさんのアソコ、美味しいです、いつまでも舐めてたい・・・・・・」

「ンン、……あッ、嫌、アッ、舌……あつい……ッ」

激しい舌使いに翻弄され、みずから誘ったくせに困ったような顔で喘ぐリヴァイさんを、俺は興奮しながらもどこか憎たらしい気持ちで眺めました。
アッアッと高い声を上げいやらしいアソコを男の分厚い舌でグチャグチャに掻き混ぜられているリヴァイさんは、
エルドさんの頭を抱え込むと、俺のいる窓のあたりへ視線を投げました。
ほんの少し開いた障子の隙間を見つけると、ふ、と口の端が上がり、目尻が垂れて笑いました。
微笑というくらいの小さなものでしたが、淫猥なその笑みは俺の股間へ衝撃を与えるのに充分で、
熱い血液を送られ続けた陰茎はもうそのまま達してしまうかというほどに張り詰めました。

リヴァイさんは酷く貪られたまま、『えれん。』と口の形だけで囁き、覗く俺へ笑いかけました。

もうそれが堪らなく、ついに俺はズボンの前を寛げ、パンパンに張り詰めたそれを握りました。
すぐに達してしまいそうなのを堪え、しかし息ははしたなく、ハアハアと犬のようにあがるばかりです。


「・・・・・・っリヴァイさん、アレ、ゼリー・・・・・・」

唾液でベタベタの口元を手の甲で拭い、顔を上げたエルドさんがそう訊ねました。
リヴァイさんは億劫そうな手つきで仏壇の抽斗を後ろ手に探り、チューブを取り出しました。
白地に桃色の線の入ったそれは、薬局で避妊具の隣に置いてある局部用の潤滑ジェルでした。
エルドさんはそれからブチュと中身を出すと、ひくつく穴へ塗りたくりました。

「舐めてると今度はもう、ハメたくって仕方ない・・・・・・やらしいからだしてますよ、貴方は、ホントに・・・・・・」

「あ、ア・・・・・・ッ」

エルドさんの指でソコをなぞられ拡げるように探られると、リヴァイさんはまた切なげに身を捩ります。
ぐぷ、と太い中指と人差し指が埋められ、遠慮なく中を擦り上げているようでした。

「や、あア、あっ、あっア、」

指をぬぷぬぷと突き入れられるたびに、ビクビク腰が跳ね上がります。
リヴァイさんは喪服の袖を握り締めて、時折唇を噛み締めるようにしていました。
あっあっと上がる声と、ハアハアと吐き出される息。
エルドさんはそんなリヴァイさんの嬌態に煽られてか、自身も息を乱していました。

部屋の温度はいよいよ上がって行きます。
時刻は十四時を過ぎ、カンカン照りの太陽が射殺すかというほどに窓へ差し込むのです。
松の木が陰になってどうにかそれを逃れている俺はそれでも、息をするたび股間も肺も火傷しそうに熱くなっていました。
窓と障子を隔てたこの仏間も、ふたりの汗の滴るのを見ていれば如何ほどに暑いかが手に取るように分かるのでした。

ジットリとした汗をかいているリヴァイさんの内股、スッカリ熟れたアソコは足されたゼリーでぐぷぐぷといやらしい音を立てています。

「ア、もう、欲しい・・・・・・ッ!なか・・・・・・ァ、ハメて・・・・・・」

切なげな声をして、リヴァイさんはエルドさんの袈裟を握って縋るような目線を投げかけました。
汗ばみ桃色に染まった頬、情欲に潤んだ目元はとろんと溶けて落ちそうなほどです。

「もう?」

リヴァイさんはコクコクと頷くと、少し苛立ったように「はやくッ・・・・・・」と息を荒げて急かしました。

「手でするとすぐ欲しがるの、やらしいな、かわいい・・・・・・っリヴァイさん・・・・・・ッ」

指を抜くと腰を抱き、唇を交わすと、ふたりの舌が伸ばされて絡み、てらてらと光っているのがよく分かりました。
縛ったり解いたりするようにそれが絡みあい、離れるとツウと蜘蛛の糸のように唾液が引きました。

「後ろからがいい?」

すぐいっちゃいますもんね、とエルドさんが言うと、リヴァイさんは頷いて仏壇のほうへ向き、正座のようにして座り直しました。
少しだけ膝を開き、裾をたくし上げて白い尻をエルドさんへ向けます。
噛み千切りたくなるようなその桃に似た丸みを撫でつつ、エルドさんは着物の合わせを捌き、ソレを出しました。
口で避妊具の袋を切って取り出し、先ほどより大きさを増した赤黒いソレへ、薄桃色のゴムを被せました。
あっと言う間にくるくると降ろして装着する早さに、大人の慣れを感じて、俺は少し羨ましく思ってしまったのでした。

ゴムの上からゼリーを足し、二三度扱くとソレはスッカリ育ち切った凶器のようなもので、薄桃色なのがいっそ滑稽にすら見えます。

リヴァイさんの、畳に手をついて突き出している腰を掴み、ソレを宛がうと、エルドさんの腰がゆっくりと進みました。

「あアァ・・・・・・ッ!」

ズブブ、と突き入れられ、リヴァイさんの背中が反ります。
半分ほどまで入れると、エルドさんは今度は腰を引き、ソレを抜き出しました。
最初から全部は入らないものなのか、何度かそれを繰り返しています。

目の良い俺にはふたりの結合部がハッキリと捉えられ、ずぶずぶと男の怒張したチンポを飲み込むリヴァイさんのいやらしい姿態は、本当に凄まじいものでした。
俺はずっとイかないように握り締めていた自分のソレを解放し、やはりイきそうになるのをグッと堪えながら、そうっと扱き始めました。
余りの暑さにシャツの襟ぐりはもうビッショリと濡れていてたまに額から垂れた汗が目に入るのに苛立ちながらも、俺はふたりに釘付けになっていました。
手汗も酷く、ぬるぬると滑るほどです。

室内にもおそらくムワッとした熱気が満ちているのでしょう、エルドさんもリヴァイさんも顔を真赤に火照らせ、汗を垂らしながらまぐわっています。

「ん・・・・・・アッ!う、あア!」

だんだんと進めるようになってきたものか、エルドさんが突き入れているのはもう殆どソレの全部で、グッと奥まで突くとリヴァイさんが甲高い声で鳴くのでした。

「ああっ、リヴァイさん・・・・・・ッ、たまらない、キツい・・・・・・ッ」

眉根を寄せてそう唸るとエルドさんは一際強く突き、ぶつかったリヴァイさんの尻がバチュンッと勢いのある音を立てました。

「あーーーッ!?」

それがかなり奥まで当たったものか、リヴァイさんはビクリと背中をしならせると目を見開いて、振れた髪から汗が散りました。

「く・・・・・・ッ」

エルドさんはリヴァイさんの腰が逃げないように尻たぶをガッチリと掴んで、またバチュ、と深く突き入れると堪えるように瞼を瞑りました。
汗かゼリーか分からない液体で太股と尻とが濡れていて、抜き差しするたびにソコから、バチュンッバチュンッと湿った音が立ちます。

「あッ!ア!ああァ……ッ!」

仏壇前に正座したまま、男のチンポを銜え込んで喘ぐリヴァイさんの表情は不義の快楽に歪んでいました。
ぐいと突き入れられるたび腰はしなり、ヌルリとしたアソコから引き出される男根を食いしめるように震えます。
下半身はもうグショグショに濡れています。
抜き差しのたびにリヴァイさんの張り詰めたソレが、フルリフルリと太股の間に揺れるのが見えました。
もうスッカリ、リヴァイさんのソレもパンパンで、何度か扱けばすぐに達してしまいそうなほどでした。


激しい抽挿に揺れ、リヴァイさんは仏壇の前にある蝋燭やお香なんかが載っている卓へ、前のめりに手をつきました。

エルドさんが袈裟を着たままに腰を振るたび、リヴァイさんが喪服姿で悶え、仏壇をガタガタと揺らします。
それは何とも背徳的なことなはずでしたが、ふたりはそれを知ってか知らずか、いよいよ昂ぶって激しくなる交合に溺れています。

「ん……ッい、イクっ、!っいくイクッ……!」

殆ど啜り泣きに近い喘ぎ声を上げていたリヴァイさんが、イヤイヤするように黒髪を振り乱して汗が散りました。
エルドさんももう全く余裕のないようで、ガツガツと腰を掴んで貪りながら息は上がりきっています。

「俺も、……ッ!ああ、リヴァイさん、俺もイクッ、ああ、出る……ッ」

バチュバチュという酷い水音の間隔がいっそう早まります。
俺も自らのモノを扱く早さを上げました。声が上がりそうになるのを必死で堪えました。


「あンッ、アッ、あッアッアッ、イクッ!」

「ッリヴァイさん……ッ!リヴァイさんッ!!」

「いく、あッ!えるッ、アッ、……エルヴィンッ!!!」

ああーっ、と長く引く嬌声を上げ、リヴァイさんの太股に揺れていたソレから、ついに白濁が飛びました。
仏壇前の卓へ、白い液体がぴゅくぴゅくと掛かるのに気づいていないのか、気持ち良さそうに腰を振り、出し切っています。
エルドさんもウッという低い唸りとともにリヴァイさんの尻へ打ち付け、ゴムの中に射精しているようでした。

俺もふたりと同じくして堪え続けやっと訪れた放出に、ビクビクと腰を揺らし、窓へと白濁を打ち掛けました。
何度も吐き出たそれは量が多く、窓はスッカリ白くなりました。

着ている服は汗でぐっしょりと濡れ、不快感ばかりが残りました。
早く風呂場で水を被りたい、とそればかりを考えました。



庭の蝉は相変わらず、気の違ったように必死に鳴き散らしています。
松の木の下には、もう鳴けなくなった蝉がコロリと転がっていました。



*




「今年の西瓜は甘いな。」

しゃく、と小気味の良い音を立ててリヴァイさんが西瓜を頬張ります。
夕方になってやっと吹いてきた風は湿気を含んだままでしたが、それでも風鈴を涼しげにリインと揺らしました。

ぐしゃぐしゃになった喪服から着替え、白いシャツ姿になったリヴァイさんは随分と身軽そうに見えます。


「当たり年だって話ですよ。母さんが言ってました」

「へえ。」

不器用な俺は、リヴァイさんの前で上品に西瓜を食べることに難儀して、それでもリヴァイさんを何度か盗み見ていました。
さらりとした髪は、風呂へ入ったためでしょうか。
線香のにおいを打ち消すように石鹸が香って、あんなに乱れて男のチンポを強請っていたとは想像も及ばないほどに爽やかでした。


俺は知っていました。

リヴァイさんが旦那さんの月命日になると、男を引っ張り込む理由。

リヴァイさんの旦那さん、エルヴィンさんは病床で、リヴァイさんに言いました。

「お前の乱れる姿が見たい。目に焼き付けて、あの世に行きたいな。」

リヴァイさんは、エルヴィンさんを愛していました。
この世に代わるものが無いくらいに、愛していたのです。


エルヴィンさんの臥せっている布団の前で、リヴァイさんは他の男に抱かれ、いやらしく乱れて見せました。
夫のものでないチンポをアソコに受け入れて喘ぐリヴァイさんを、エルヴィンさんは優しく見つめました。
ぐちゃぐちゃに乱れても達するときには必ず、エルヴィン、と甘く鳴きました。

事が終わって、夫婦がヒシと抱き合うと、いやらしくないキスをして、ふたりはいつも一緒の布団で眠りにつくのでした。

俺はふたりが引っ越してきた頃からずっとリヴァイさんを見ていましたから、リヴァイさんがその接吻をどれほど大事に思い、
どれほど救われているのかが、子どもながらに分かりました。

エルヴィンさんがもう目を覚ましてリヴァイさんの頭を撫でることも、髪を梳くことも、あの清らな接吻を交わすこともなくなり、
リヴァイさんはこの家にたったひとりになりました。

それでもリヴァイさんは月命日になると、夫の遺言に従って男を引き入れ、エルヴィンさんの遺影の前で喘いで見せました。
別の男にどんなに酷く犯されどんなに情熱的に抱かれても、必ず最後には、エルヴィン、と呼びました。

もう返らない返事に、それでも、事が終わるとリヴァイさんはエルヴィンさんの遺影へ、そっと清らな接吻をします。
エルヴィン、と呼びかけて、なんのいやらしさもなく、ただ写真へ唇をつけるのでした。



「エレン、明日だが手伝いに来れるか。駄賃はやる」

「あ、はい。いいですよ。もう今月小遣いなくなりそうなんで、助かります。風呂掃除ですか?」

午後ずっと冷やされていた西瓜は甘く、べたべたと口と手を汚しました。
リヴァイさんは汗なんてかきもしない、というような涼しげな姿で、やはり西瓜を食べています。


「……いいや、窓拭きだ。」

そう言うと、ニ、と小さく口の端を上げたリヴァイさんは昔と何も変わらず、とても綺麗なひとです。
俺の想いと視線にスッカリ気づいているはずで、けれどそれをおくびにも出さず、こうして意地悪くからかうリヴァイさんを、
俺はやっぱり諦めきれないのでした。

微笑むリヴァイさんの唇は西瓜の汁で濡れています。
俺はそれに吸い付きたい、いやらしいことをしたいと思いながらも、あの清らな接吻に憧れ、それが出来ないでいるのでした。


風が吹いてきました。

蝉は、もう番いの相手を見つけたでしょうか。
分かりません。

ミイミイ鳴く声も、リヴァイさんが微笑んだ瞬間に、消えてしまったものですから。





 

スイカ
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